
「そうだ、転職、しよう。」
そう思ったときあなたは、多分スマホかパソコンをまず手に取る。そして目にするのは、ウェブ上で展開される転職活動のススメ合戦の有り様です。商戦過熱気味。
- 求人サイト・転職エージェントが、全力でそれぞれ自社サービスを推している。
- 大勢の転職ブロガー達が、これら民間サービスのオススメ記事を量産してカオス的に煽っている。
- 対してハローワークは公的サービスで露出は非常に地味である。
- 地域ごとのローカルな媒体は、あまり目にする機会がない。
んん? 私の場合、どこから手をつけるのが賢いだろう?
実際はみんなどのサービスを使って転職に成功したのか、知りたくなりますよね。参考になりそうな調査が公開されているので紹介します。
【転職者実態調査の概況 個人調査④ 転職について】厚生労働省(2015年)

転職者が現在の勤め先に就職するためにどのような方法で転職活動を行ったか(複数回答)をみると、「公共職業安定所(ハローワーク)等の公的機関」が41.4%と最も高く、次いで「縁故(知人、友人等)」が27.7%、「求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が24.2%となっている。
転職者実態調査の概況 厚生労働省
さすが公的機関、きっちり年齢別に調査しています。参考になりますね。
全年齢の平均と変わらず、40代50代も、①ハローワーク ②コネ ③紙媒体の順に利用したようです。コネ、最近はリファラル採用なんて横文字を使う向きもありますが、破壊力が想像を上回っていました。
本調査では、年齢以外に学歴別の集計もされていて、「学歴が高いと民間の転職サービス・直接応募の割合が高い」と結論づけています。
私は元ゴリゴリのヘッドハンター(転職エージェントに含まれます)でしたが、そのときの経験を通しての肌感覚では、40代50代に限定した場合、必ずしもその通りだとは言えないと思います。民間の転職サービス企業は、早く高く売れる人材を求め、ヤング人材に注力するものだからです。
ただ、これから労働人口が減るにつれ、学歴のいかんに関わらず、40代50代60代の労働力が必要とされるようになっていくはず。活躍の舞台はむしろ広がると考えましょう!
【転職活動に利用した媒体調査】マンパワー(2015年)
さて、人材サービスのマンパワーが調査するとどうなるか。
転職活動に利用した媒体等で多いのは「ハローワーク」「求人サイト」
転職活動に利用した媒体調査 マンパワー
対象は18~60歳の男女801人、40代50代の大人達がどこまで含まれているかは不明。①ハローワーク、②求人サイトと来て、③位に転職エージェントが登場しました。
マンパワーは人材サービスの会社です。おそらくは、自社に登録した人にアンケートを配布したはず。そう考えればこのような順位になるのも頷けますね。
【求職トレンド調査】BCG・リクルート(2017年)
おもしろいデータがありました。国別です。

オンライン調査なのでネット関連の回答が多い、と注釈つきの調査ですが、なんとなくお国柄が感じられておもしろいです。
まず目につくのが、求人サイトの利用の多さ。ロシアの53%を筆頭に、ほとんどの国でトップです。日本はハロワのがんばりがすごい。中国は、SNSと謎のその他がトップです。
参考までに。
自分に合った転職サービスを選ぶことから、転職活動は始まります。
こうして情報を読み解いていくと、転職の現場が見えて来ます。ネット上に渦巻く転職活動のススメ合戦が、決して実際の転職事情を物語っているわけではなさそうですね。
みんなひとりひとり、年齢も経験値も状況も異なります。万人向けの転職サービスなどありえません。
果敢に転職に踏み切るあなたは、ススメ合戦の煽りに乗せられず・逆に乗りこなしながら、本当に必要な情報をうまく手繰り寄せつつ、転職活動を進めてください。
転職サービスの利用方法についての具体的な考察は、コチラから。

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