転職体験記 no.020:

- H.Mさん(当時45歳)
- 前職:ガス会社の営業開発マネージャー、正社員、年収700万円
- 現職:ガス会社の営業、正社員、年収630万円
- 転職期間:2カ月・応募:5社・面接:4社
- 利用したサービス:転職サイト
- 成功?失敗?:やりたい仕事に戻れて成功。

今回は、妻であるY.Mさんから、夫・H.Mさんの転職について伺いました。
営業一筋27年。営業分野の管理職としてキャリアを積む日々。
Q1:転職時の年齢、性格などについても教えてもらえますか?
A1:男性、転職時は45歳です。
夫は現在50歳、転職したのは45歳の時でした。
真面目で努力家、粘り強い性格で行動力もあります。ただ、まじめな分だけ少し思い込みが強いかもしれません。
Q2:前職について教えてもらえますか?
A2:ガス会社で営業開発マネージャーをしていました。
高校卒業後はガス会社に入社し、それ以降、営業一筋でやってきました。成績はトップクラスで、40代には営業開発マネージャーとなり、営業を中心に多方向に渡って事業拡大の企画・管理・統括を行っていました。
年収は、ボーナス込で700万円くらいです。ガス工事などの仕事に必要な資格は一通り持っています。

私としても、専業主婦として子育てに専念できたことを感謝しています。
上司の嫌がらせで不本意な転属。営業の仕事を求めて速攻転職。
Q3:転職の理由は何ですか?
A3:上司の嫌がらせで不本意な転属を余儀なくされたからです。
開発マネージャーとして着々と実績を積んでいましたが、個性が強いので上司と衝突することも多くあったようです。特に、人事部長と折り合いが悪いという話をよく聞きました。
あるとき、少し体調を崩したのをきっかけに、営業職から営業所の保安に転属させられてしまいました。「役職や給料はそのままで、体調が改善したら元の仕事に戻す」とは言われたそうです。

私は問題ないのではと思ったのですが、実際に話を聞いた夫の印象は違うようでした。
夫は、人事部長のいやがらせだと確信しており、元の仕事に戻れる可能性は低いと考えました。後で知ったことですが、転属後すぐに転職を決心したそうです。
転職において「人脈」は不確定要素。自分の手でつかみ取るのみ。
Q4:転職期間、応募数や面接数など、転職活動はどうでしたか?
A4:活動期間は2か月、応募5社、面接4回です。
営業時代の人脈は、本音と建前が複雑に入り混じった日和見の人間関係。
営業開発マネージャーだった夫は顔が広く、営業時代も含め広い人脈を持っていました。
初めのうちは、その人脈を使って知り合いの会社に声をかければ雇ってもらえるという甘い考えがあったようです。
「自分を買ってくれている」と思っていた会社の社長に体よく断られることが続いた時は、少し落ち込んでいました。
募集の有無は関係ない。働きたい会社すべてがターゲットになり得る。
そこからは、転職サイトから求人情報を集めて応募していました。「ここだ!」と思う会社なら、求人募集をしていなくても直接電話をしたり履歴書を送ったりしていました。

自分が働いてみたい会社なら、募集がなくても問い合わせてみる積極性と行動力は、私から見てもうらやましい限りです。
最終的には、5社目で前職と同じガス販売業の会社に転職できました。
幅広いキャリアと転職後の努力で、前職と同等の評価を取り戻す。
Q5:転職後の職種・業務内容・年収を教えてもらえますか?
A5:ガス会社の営業、役職なし、年収630万円からのスタートでした。
現在のガス会社では、念願の営業職として働いています。転職直後は役職も無く、年収も630万円と少し下がりましたが、5年経過した現在は、前職と同じ営業開発マネージャーを任され、年収も700万前後に回復しました。
詳しい仕事内容は、妻の私ではよくわからないのですが、営業開発の実質的な責任者とのことです。

前の会社ではやりたい仕事ができていなかったので、今の会社で希望の営業職に戻れ、仕事も楽しそうで、本当によかったと思います。

転職直後の状況だけで転職の成功・失敗が決まるわけではありません。転職してからの努力も大切なんですね。
Q6:これから転職する人へのメッセージをお願いします。
A6:思い切って行動してしまうのもありかもしれません。
夫の場合は、同じ業界の会社に転職できたので、それまでのキャリアを活かすことができました。でも、実際の転職は、知らない業種に飛び込むことになる方も多くいると思います。
それでも、今の職場がこれ以上無理だと感じたら、勇気をふり絞って転職するべきだと思います。
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