転職体験記 no.014:

- Y.Hさん(当時49歳)
- 前職:総合商社の事務、正社員、年収450万円
- 現職:パソコン教室の講師、パート、時給900円
- 転職期間:1カ月・応募:5社・面接:1社
- 利用したサービス:ネットの求人サイト
- 成功?失敗?:大好きなことが仕事にできて大成功。
居心地の良い楽しい職場。不満もないけど特に展望もない?
Q1:転職時の年齢、性格や経歴についても教えてもらえますか?
A1:49歳で転職しました。女性です。夫と子供2人の4人家族です。
新しいことにチャレンジするのが好き、学ぶことも大好き、という好奇心旺盛な性格です。
息子が2人いますが、長男はすでに独り立ちして家を出ており、現在は次男と夫との3人暮らしです。
Q2:前職について教えてもらえますか?
A2:総合商社で働いていました。年収は450万円くらいです。
短大卒業後は総合商社に勤務し、事務として働いていました。営業補助業務が中心でした。特に役職などはありません。
年収はボーナス込みで、400~500万円だったと思います。
同期の友人も多く、働きやすい職場で、仕事内容や職場環境にも特に不満はないが、それほど情熱を向ける何かがあるわけでもない、という感じでした。
就職し、結婚して退職し、出産して専業主婦に。順風満帆な人生。
Q3:転職の理由は何ですか?
A3:転職というか、退職のきっかけは結婚と海外への引っ越しでした。
私の場合、「キャリアアップしたいから」とか「今の職場に不満があるから」などの理由で転職したわけではありません。
総合商社の事務職から、海外暮らしの専業主婦へ幸せいっぱいの転身。

前職を辞めた直接のきっかけは、結婚と長男の妊娠です。
結婚してすぐに第一子を授かり、自然とそのまま退職しました。将来的に復職するかしないかなどは特に考えていなかったと思います。
長男出産後しばらくして、夫の転勤のため海外へ生活の場を移すことになりました。新しい土地や文化や人々との生活は刺激的で、息子の子育ては楽しく、学ぶことの多い幸せな時間を過ごしました。
子育てがひと段落した日本で、なぜか働きたくてウズウズしてきた。
20年経ち、日本に帰国したころには長男も独立し、次男も手のかからない年ごろになり、子育てはひと段落していました。
日本での私にはママ友が少なく、前職の友人と出かけることが多かったと思います。
私のような専業主婦は少なく、独身でバリバリ働いていたり、出産後に復職していたり、夫の扶養に入りながらパートをしていたりと、みんな自分の生活に合った働き方でお金を稼いでいました。とてもキラキラして見えました。

子育てを終えた後も続く長い人生の中で、もう一度働いてみたい。社会に必要とされる自分を見てみたい!
そんな考えがフツフツと浮かんできたのが、仕事を探し始めたきっかけでした。
リスクは無視。どうせなら、得意なことより好きなこと。
Q4:転職期間、応募数や面接数など、転職活動はどうでしたか?
A4:活動期間は1か月、応募数は5か所、面接は1か所で決まりました。
私には就職に有利な資格もスキルもありません。日本で通用しそうなのは20年間で上達した英語くらいでしょうか。

しかし私が探したのは、大好きなパソコン関連の仕事でした。
長い海外生活の間、母国と繋がるために始めたパソコンですが、どんどん楽しくなり、独学ではありますが、暇なときにコツコツと勉強していました。
就職活動によく使ったのはネットの求人情報サイトです。しかし、履歴書を送ったものの不合格が何件か続き、「年齢がネックなのか」「無資格がダメなのか」と悩みました。
結局、面接までいった最初の1社に決まりました。「パソコンが好きだ」という想い、「誰かの役に立ちたい」という熱意が伝わった結果だと思います。
将来性のあるパソコン関係の仕事で自分の伸びしろを愉しむ。
Q5:転職後の職種・業務内容・年収を教えてもらえますか?
A5:パソコン教室を運営する会社です。時給900円です。
パソコン教室の講師をしています。初めてパソコンを使う、さらなるスキルアップを目指すなど、レベルに合わせたいくつかの教室を担当しています。
現在はパートであり、時給は900円です。ボーナスはありません。
生徒さんは高齢者の方が多く、これからの高齢化社会でさらに需要が高まる将来性のある仕事だと感じています。
私自身も、この仕事の中で自分を磨いて進化していきたいと思い、まずは MOS (マイクロソフトオフィススペシャリスト) の資格を取得しました。
現在は、パソコンの使い方だけでなく、キャッシュレスへと変化していく時代の中で、流れについていけない高齢者の方々の相談に乗れるようなスキルを身に付けたいと考えています。
Q6:中高年での転職についてどう思いますか?
A6:情熱と実力があるなら躊躇する必要はないと考えます。
40、50代の転職では躊躇してしまう人も多いと思います。でも私に言わせれば、自分のそれまでしてきたコトに情熱と自信があり、それをきちんとアピール出来る力があれば、中高年であっても転職は十分にチャンスがあります。

保守的にならず、転職で大きなチャンスを掴む事も人生の中では良い事だと思います。

「自分のそれまでしてきたコト」とは、お仕事である必要はないのかもしれません。主婦業だって、ハマっていた趣味だって、好きだという情熱と自信があれば、そこに可能性が広がるようです。
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