転職体験記 no.011:

- T.Bさん(当時58歳)
- 前職:IT業界の会社で代表取締役、年収3,000万円
- 現職:コンサルティング業界の会社で取締役、年収1,000万円
- 転職期間:3カ月・応募:3社・面接:3社
- 利用したサービス:ネットの求人サイト
- 成功?失敗?:今はまだ不明。
時代の波に乗ってIT企業を設立、代表取締役としての手腕を磨く。
Q1:自己紹介をお願いします。性格や経歴についても教えてもらえますか?
A1:58歳の男性。現在は母親と2人暮らしです。
10年前に妻を亡くし、男手一つで育ててきた子どもも無事独り立ちしました。現在は、母親と2人で暮らしています。
会社の経営に長年携わってきた経験から、諦めない前向きな姿勢と、粘り強さには自信があります。どちらかというと温厚な性格です。
資格は、英検2級、普通自動車運転免許を持っています。
Q2:前職について教えてもらえますか?
A2:IT業界で会社を立ち上げ、代表取締役をしておりました。年収は3,000万くらいです。
IT業界で、システム開発やパッケージ販売の業務を中心とした会社を設立し、代表取締役として長らく会社の経営に携わってきました。
年収は、会社の業績によって変動はありますが、約3,000万円ほどです。
民事再生手続きと辞職勧告。ともに戦ってきた自分の会社を去る。
Q3:転職の理由は何ですか?
A3:会社が民事再生手続きの申し立てを行うことになったのが直接の理由です。
会社の資金繰りが悪化し、経費支出の削減や金融機関への相談を通して、できる限りの改善を図りましたが、業績がプラスに転じることはありませんでした。
結局、会社は民事再生手続きの申し立てを行い、新オーナーから経営者の交代という方針を打ち出され、辞職勧告があったため、転職を余儀なくされました。
時代に流されるスキルではなく、年の功たる経営経験を前面に。
Q4:転職期間、応募数や面接数など、転職活動はどうでしたか?
A4:3カ月ほどの求職活動で、3社に応募、面接に進んだのも3社でした。

転職中は、とにかく焦っていました。早く決まらないかと常に追われているような気持でした。
IT業界は、これからも発展していく将来有望な分野ですが、進化のスピードが速く、流行り廃りが激しく、長年身を置いてきた私のスキルもあっという間に時代遅れになっていきます。
IT業界でのスキルで若者たちと勝負するのは難しいのかもしれないと考えました。逆に、長年の会社経営者としての経験は、この年齢だからこそのものであり、若者に勝てる要素であると思いました。
そこで、IT業界でのスキルではなく、経営者としての経験を活かせる求人を探しました。主にネットの転職サイトを利用し、3社目でなんとか仕事が決まりました。
転職が成功か失敗か、その判断はこれからの自分に委ねます。
Q5:転職後の職種・業務内容・年収を教えてもらえますか?
A5:企業コンサルティングの会社です。年収は1,000万円に減りました。
企業コンサルティングの会社で取締役として働いています。前の会社での経験が活かせていると思います。
ただし、年収は1,000万円くらいです。 取締役なので、稼いだ額と自分の給与が変動していくので、あまり安定は望めません。
それはつまり、自分の頑張りによって年収が上がる可能性も十分あるということです。

今の時点で、今回の転職について「成功か、失敗か」は正直わかりません。
成功か失敗かは、今後、自分が今の会社にどれだけ貢献できるかによると思っています。
Q6:中高年での転職についてどう思いますか?
A6:転職は慎重にすべきだと思います。
自分の今のスキルだけを考えて転職するのは危険です。時代の移り変わりが早いので、自分の持っているスキルがすぐに古くなっていきます。その点も考慮して、転職を考えるべきだと思います。

若さでは補えない中高年ならではの経験が、T.Bさんの武器でした。「転職は成功だった」と判断できる時が待ち遠しいですね。
Images: freepik