
「転職について誰に相談しますか?」
この年でいまさら親に心配はかけたくないし。人生順調な30年来の友人には、なんだか少し悔しくて話せない。元同僚に相談したなら逆にこっちが愚痴を聞く羽目になりそう。
やはりプロの転職エージェントか。それともまずはこの傷ついた心を癒すためのセラピーとか。もっと踏み込んで占い師にゆだねるか。
結局は、首をかしげながら、シッポをぱたぱた振りながら、嫌な顔一つせず私の話に耳を傾けてくれる愛犬に勝る相談相手はいないでしょう!となる。

私のおすすめはズバリ「ハローワークの相談窓口」です。
なぜいまさらのハローワークなのか?
そこには、私が体験して感じた4つのおすすめポイントがあるからです。
ハローワーク相談窓口の4つのおすすめポイント。

その1:すべて無料で利用できる。
だからお財布に優しい。家計に優しい。将来に優しい。これに限ります。
その2:相談員の層が厚いから信頼できる。
雇用保険関係、求職関係、職業訓練関係、その他もろもろ、用途別に複数の相談コーナーが設置してあり、 多種多様な相談者に対応できるようになっています。つまり…
相談内容に特化した専門知識を持つ相談員が揃っている。
彼らは1日中、朝から晩まで相談を受け続けています。1日に何人の悩みを聞くのか。15人と仮定するなら、1ヵ月20日としても300人。1年なら3,600人。5年勤続なら18,000人の相談件数です! 特に数字の根拠はありません…想像です。つまり…
個々に経験を重ねたさまざまなプロ級相談員が揃っている。
基本的に相談員を選ぶことはできず、ランダムに当たった相談員と話すことになります。もちろんすべてがみなさん完璧というワケではありません。経験不足の新人さん、反論の隙を与えない弾丸トーク系、高圧的なパワハラ系など、ちょっと苦手なタイプに当たることもあるでしょう。苦手なタイプが2回連続で来ると、妙にやるせない気持ちになったりもします。

しかし、そこは「人間だもの」の柔軟な心で。
彼らは何年にも渡って付き合わねばならない直属の上司ではありません。いっときの苦手意識は棚に上げて、いろいろなタイプの人間とマンツーマンで話すことの面白さを満喫してみるに限ります。
その3:リアルな社会と接触できるから刺激になる。
一度退職してから転職活動をする最大のデメリットは、自分が社会から一定期間切り離されるということです。その人の性格にもよりますが、職場から受けていた評価や承認を失うことは、時として、自分への焦りや失望を生みます。
相談窓口にはその道のプロが揃っています。ちょっと捨て鉢になった若者を叱咤激励し、お年寄りの愚痴に近い相談話にも笑顔で耳を貸す、そんな経験豊かな相談員たちが、いつでも無料であなたの味方になってくれるのです。
相談中に受けるアドバイスや励ましが、転職の不安や疑問を解消してくれるきっかけになることもあり、また、第三者に相談するという行為自体が、社会に参加している実感を与えてくれる定期的な機会にもなり得ます。
その4:求職活動1回分に相当するから使い勝手が良い。
失業手当を受けるためには、毎月の認定日に「失業状態で求職活動中である」という認定をもらう必要があります。そして、その認定のためには、毎月指定された回数の求職活動が必須です。
窓口相談は求職活動1回分に相当します。実用的すぎます。
実際に相談してみて知ったこと。

職業訓練窓口で相談しながら、ハロートレーニングを受けることにした時のこと。
私が受ける在宅型トレーニングには、月に1回(計3回)の教室に出向いて講義を受けるスクーリングが予定されていて、いかにも求職活動になりそうなので「なりますよね…?」と聞いたところ、「たぶん大丈夫だが、雇用保険窓口でしっかり確認したほうが良い」と言われてしまいました。
以前、「某1日セミナーが求職活動になるのか」を尋ねた時はその場ですぐ判断してもらえたので、「この人詳しくないのかしら…。他の相談員さんに聞いたらすんなり答えてくれたりして。」などと思いながら雇用保険窓口へ。
雇用保険窓口では、担当者が新人さんらしく少しオタオタし出しました。すかさず後ろの席に控えていたベテラン女史相談員の眼鏡がキラリと光り、分厚いルールブックを抱えて参加すると、2人がかりで徹底的に調べ、最終的には提供企業に問い合わせて「求職活動になる」との判断をしてくれたのです。
ハロートレーニングはさまざまな公的機関・企業が提供しているため、判断が難しいことも多いとのこと。「この人、詳しくないかも」などと上から目線で先走った自分が恥ずかしい限りです…。
【知ったことメモ】
- 求職活動になるかの判断は「雇用保険窓口」に相談するのがベスト。
- 範囲外の質問の場合は「相談すべきコーナー」へ誘導してもらえる。
職業訓練窓口で相談しながら、ハロートレーニングを受けることにした時のこと。
私が選んだトレーニングは、申込書に「選んだ理由」を添えて提出する必要がありました。
当時、それほど文章に苦手意識のなかった私は、「このスキルが欲しいのです!」「この知識が必要です!!!」系を力説した文章を書き上げ、一応、相談員にチェックしてもらいました。
しかし結果は「却下」。すべて書き直しでした。(T_T)
相談員のおじさん曰く、「子どもの世話や介護などで通学ができない主婦のための自宅学習型トレーニングなので、どうしても通学できない状況や忙しさの根拠を前面に押し出した方が良い」とのこと。
まさに「目からウロコ」とはこのコト。
その後わたしは「どうしても通学できない諸事情を抱えた状況」をメインに「スキルや知識への渇望」を添えた申込理由を書き上げ、無事、選考を通過してトレーニングを受講することができました。
ありがとう! ありがとう、相談員さん!
【知ったことメモ】
- 自分の思い込みだけでコトを進めず、「念のために一応」の気持ちで相談してみることが大事。
- 転職に関しては相談員の方が知識も経験も多い。謙虚で素直な姿勢で臨むべき。
少し書き加えます。

窓口相談するには「ハローワークカード」が必要。
入手方法についてはこちらをどうぞ。
Go to: 初めてのハローワークで必要なことhataraq.com平日夜や土曜日に相談できる窓口もある。
利用時間は平日8:30~17:15。夜間や土曜日に利用できる窓口もあります。
厚生労働省提供の相談窓口は他にもある。
その他の施設の相談窓口、電話やメールによる相談窓口、相談のできるポータルサイトなどアクセス方法もさまざまです。
厚生労働省HPに「雇用・労働関係の相談窓口一覧」が掲載されてます。
ハローワークの「平日夜間及び土曜日も利用可能な施設一覧」も確認できます。
Check! 雇用・労働 相談窓口一覧厚生労働省最後に…。

雇用保険に入っていれば、必然的にハローワークの相談窓口を利用することになります。どうせ利用するなら、ただの求職活動稼ぎではもったいない!
目の前にいる相談員の知識やアドバイスを、どん欲に引き出し、だけど謙虚に受け止める。つまりは利用する側の心構え次第。
「 少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く 」
氷川清話 ・勝海舟
それが、ハローワークの相談窓口なのです。
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