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ナナメ読み:私たちはどのように働かされるのか by 伊原亮司

私たちはどのように働かされるのか  伊原亮司

まずこの、帯がいいねえ。「幻想まみれの意識高い系就活」に「ドラッカー」(笑

そう、大多数の人の現実は、そんなもんじゃない。

私たちはどのように働かされるのか

著者: 伊原亮司
略歴: 1972年生まれ、岐阜大学地域科学部准教授。労働社会学、経営管理論、現代社会論。
出版社: こぶし書房
発行日: 2015/02/28
  • 経営書・自己啓発本をつい読みたくなる人たちへ
    • ドラッカーが考える望ましい「働かせ方」
    • ドラッカーによる日本人の「働き方」の診断
    • 雇用と労働の実態――労働者間の格差と組織内の力学
    • 「知識労働者」とセルフマネジメント――『断絶の時代』そして『ポスト資本主義社会』
    • 幅広い層によるドラッカーの読まれ方 
    • 「プロフェッショナル」としての働き方は誰もが可能
  • 労働と「うつ病」
    • 「うつ病」の広がり
    • 「企業社会」、「日本的経営」におけるストレス
    • ストレス要因の多様化
    • 職場から追いやられる「うつ病」
  • 労働と「死」
    • 戦後の経済成長と大規模組織の「人材抱え込み」――自殺率の減少傾向
    • 組織内部の合理化と過労死
    • 雇用不安と自殺
    • 米国労働者像の誤解――会社を渡り歩く「強い個」?
    • グローバル経済と世界規模の自殺の広がり
    • 職場の内と外に労働を規制する場と繫がりをつくる
  • 「品質」の作り込みの低下
    • 非正規労働者の慢性的な高止まり
    • 労働者の「一体化」
    • 正規労働者と非正規労働者の格差
    • 一体化」と格差が交叉する場
  • 「キャリア」ブームに煽られる人たちへ
    • 増殖する「自己啓発本」
    • 組織や階層に縛られない働き方――「組織人」から「自由人」へ?
    • 市場を生き抜く力――「生きる力」、「人間力」、「社会人基礎力」
    • 「人間力」論に対する批判と新しい「能力」論
    • 誰にでも、何歳になっても、キャリア設計を求める議論
  • 「社会貢献」に惹かれる「良い人」たちへ
    • 「社会貢献」を意識した活動
    • 「社会貢献」をする側、される側に関する問題点
  • 働くということを自分たちのものに取り戻す
    • 労働を規制する力と新しい労働運動
    • 労働―消費中心の生活から‘半ば’降りる

就活でだまされないための理論武装

幻想まみれの「意識高い系」就活よ、さようなら

暴力、いじめ、差別、能力主義――働く現場から描き出す、現代日本のリアル労働論

世の中は、「自分らしく働く」ことをすすめる魅力的な言葉で溢れている。「自由な働き方」や自分のライフスタイルにあった「多様な働き方」を提案される。しかし現実は厳しい。(中略)にもかかわらず、否、それだからこそ、「自分だけは違う」と思わせる「新しい働き方の」の提言が未だに続くのである。

雇用問題を個人の「能力」の問題に矮小化している点を問題視しているのだ。

賛成。

雇用と労働の問題は、社会や制度によるところが大きい。厚生労働省は「キャリアコンサルタント」という国家資格を作り、キャリアの後押しをしようとしていますが、それだけで解決するはずがありません。

「プロフェッショナル」としての働き方は誰もが可能か。

可能じゃないと思うから、「意識高い系」の就活煽りや、十把一絡げのキャリア論に違和感を覚えることが多々あります。

それでも、我々は現場にいます。だから、働く側の人間として、働く人たちをサポートする人間として、我々にできることからやるしかない。

がんばろ。

蛇足。

私は28歳から遅い留学をしました。

バブルはすでに崩壊した後でしたが、20年前のロンドン、MBA向け図書室には、日本式を賞賛するものがずらりと残っていました。著者が引き合いに出した、日本人の大好きなドラッカーをはじめ、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(ボーゲル)や「ジャパニーズ・マネジメント」(パスカル)などなど、日本式だけで図書室の1列を全部を占めていました。

西日の入る図書室の光景が、日本式の形骸として、ふと思い出されたりして。

要するに、周りに左右されすぎずに、自分がコレだと思ったことを、ひたすらやっていけばよいのだということ、かな。